タッチアップの基準は、最終的に正しく捕球されたフライに、野手が最初に触れた時点です。グラブの中で確実に握るまで、必ず待つという意味ではありません。この記事では、レフトがお手玉した場面を例に、出発できる時点と得点できるかの違いを整理します。
目次
タッチアップとは?
捕球されたフライで進塁するとき、走者は元の塁に触れる条件を満たしてから次の塁を狙います。この進塁を一般にタッチアップと呼びます。ここでは、三塁に触れて待つ走者が、外野フライのどの瞬間から本塁へ出発できるかを考えます。
具体例:1アウト・三塁で、レフトがフライをお手玉
試合は1アウトで、走者は三塁に1人だけ。打者がレフト(左翼手)へフライを打ちます。レフトは最初にグラブへ当てた球を弾きますが、球が地面に落ちる前に捕り直し、正規の捕球が成立したものとします。三塁走者は塁に触れて待ち、捕り直しを確認してから本塁へ走ります。レフトからの返球を受けた捕手が、本塁に触れる前の走者にボールを保持してタッチし、アウトになりました。

この例では、出発がルール上認められることと、本塁でセーフになることは別です。捕り直すまで待つこと自体は違反ではありません。アウトの理由は、捕手による本塁到達前のタッチです。

「最初の接触」と「捕球完了」を分けて考える
WBSC規則5.10.1(d)は、正しく捕球されたフライについて、最初に触れた時点から走者がアウトになる危険を負って進塁できるとしています。したがって、今回の設定では、二度目に捕り直した時点より前に出発できる余地がありました。出典:WBSC 2026–2029 Fast Pitch公式規則、5.10.1(d)
ただし「最初に触れれば、その時点で捕球が成立する」という意味ではありません。正しく捕球されたかの判断と、タッチアップの出発基準は別の話です。ボールが地面に落ちたケースには、この説明をそのまま当てはめないでください。
早く出れば、必ずセーフになる?
早く出発できても、必ずセーフになるとは限りません。この例では出発までの待ち時間を短くできた可能性がありますが、打球の深さ、返球の速さ、走者の加速にも結果は左右されます。「出発してよい最初の時点」と「本塁を狙うべきか」は分けて判断しましょう。

練習で確認したい3つの問い
- 野手が最初に触れた瞬間を、走者から確認できるか。
- コーチの声を使うなら、何を見て合図するか共有できているか。
- 出発のタイミングだけでなく、返球と走者の位置まで振り返っているか。
練習映像を見るときは「最初の接触」「捕球の完了」「走者が塁を離れた瞬間」を別々に止めて確認すると、会話が具体的になります。この3点を書き出してから、ホームを狙う判断を振り返ってみてください。
よくある質問
お手玉したら、捕り直すまで待つ必要がありますか?
今回のように最終的に正しく捕球されたフライでは、出発の基準は最初の接触です。捕り直すまで待つこと自体は違反ではありませんが、出発が遅くなる場合があります。
捕り直すのを待って走ったら、ルール違反ですか?
待つこと自体は違反ではありません。適法に出発しても、本塁到達前にタッチされればアウトになることがあります。野手の最初の接触より早く塁を離れた場合のアピールとは、別の問題です。
まとめ
ポイントは「捕球完了まで待つか」だけでなく、最初の接触を見極めること。そして、適法に出発できても得点が保証されるわけではないことです。チームで映像を振り返るときも、この二つを分けて話し合いましょう。
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