Six Softballを観戦!!
ソフトボール選手のみなさんはソフトボールは9人でするものだと思っていますが、6人でプレーする6人制ソフトボール通称”Six Softball”が少しずつ、注目を集めている。
千葉県で生まれた6人制ソフトボール。第2回大会が開催されると聞きつけ、会場にお伺いして試合を観戦した。
学校のグラウンドに4面を設置
開催地は千葉経済大学附属高等学校のグランド。そこに4面設置し、各チーム試合をおこなった。
9人制ソフトボールの場合、学校のグラウンドなら1〜2面しか設置できないが、6人制ソフトボールは各ベースから15m後ろにフェンスをはるので、4面の設置が実現する事が出来ている。
出場チームは中学生16チーム、小学生2チームが参加し、2日間予戦リーグと決勝トーナメントをおこなう。
※試合前の挨拶
※バックネットからの様子
カウントは1ボール2ストライクからスタートするので、ピッチャーも初球から決め球を投げる事ができ、打席は1球で、攻撃なら3球で終わる事もあり、試合展開が非常に早く、1試合7回、60分制だが、ピッチャーのレベルが高いチーム同士だと60分を経過する前に試合が終わる試合もあった。
戦略面でも、カウントが工夫されている分、盗塁やエンドランといった作戦の仕掛けが早くなり、初球からより高い集中力が求められた結果、初回から試合終了まで、見応えのある試合が多くあった。
また、グランドが狭いので中学生の試合にも関わらず、1試合に何本もホームランがでるので、嬉しそうにダイヤモンドを回る選手がとても印象的だった。
参加者の感想
ちはら台西中学校キャプテンの東牧野はんな選手に感想を聞いたが、
「Six-Softballは、6人でプレーしますが、9人制の試合にも繋がるプレーも多かった。2ストライクからなので、打席も守備も常に緊張感があり、1球の大切さが改めて実感できる試合になりました。普段の練習から、1球の大切さを意識して練習していきたいです。」
と9人制ソフトボールに繋がる部分は多くありそうだ。
<ちはら台西中学校 東牧野はんな選手>
参加中学校の先生にもお話を伺ったが、
「中学生でも柵越えのホームランが打てるので、楽しく選手もプレーをしている」
と選手も楽しんでプレー出来ているようだ。
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誕生秘話 新入部員0人がきっかけに
6人制ソフトボールの発起人の千葉県ソフトボール協会国体強化委員で、ちはら台西中学校ソフトボール部監督の金城先生と千葉経済大学附属高等学校ソフトボール部監督の佐藤先生に6人制ソフトボール誕生の経緯をお伺いした。
<左:ちはら台西中学校 金城弦先生 右:千葉経済大学附属高等学校 佐藤洋介先生>
金城先生は中学校でソフトボール部の顧問をしており、新入部員が1人も入部しなかった事があり、部が存続出来るのかと、危機感を抱いたという。
バスケやバレー等の球技とは異なり、ソフトボールは9人の人数確保が大きな障壁になる。普段から佐藤先生との雑談で、中学校現場の現状について話す中で、何か取り組めないかと常々議論していた。ある日「プレーする選手の人数を減らしてはどうだろうか?」と考え、6人制ソフトボールを思いついたという。
人数を減らすことは簡単だが、外野に打球が飛んだ場合、内野手がボールを拾いにいくだけになってしまう。そこで、フェンスを設置するアイディアに至った。このアイディアが6人制ソフトボールの魅力を大きく引き出す事になる。
内野手全体で、ベースカバー等の連携プレーをしなければいけないので、守備の意識が通常よりも強くなり9人制にも活かされる。(実際にベースカバーや連携ミスが失点に繋がるシーンが多く見受けられた)また、走塁面では、次の塁を狙おうという姿勢(内野のベースカバーが遅れる時に、空きベースを瞬時に判断し進塁)が強く持ち、走塁の意識が高まるという。
さらにフェンスはベースの15m後ろに設置しているので、フェンスまでの距離は短いので、小・中学生には珍しい柵越えのホームランが出やすい事も魅力の1つとなった。
昨年度、千葉経済大学附属高等学校の佐藤先生の協力もあり、第1回大会を開催する。
ソフトボール普及に向けて
第1回大会は16チームの参加があり、課題はあったものの成功で終える事ができた。その後、第1回大会の反響や千葉県ソフトボール協会の働きかけもあり第2回大会を開催。チーム数は第1回大会同様に16チームの参加だったが、開催を聞きつけた学校から多数申込が入り、運営やスケジュールの問題から断りをいれた学校もあったという。
千葉県には約100校以上の中学ソフトボール部があるので、約5分の1の参加があり、千葉県内ではかなり認知されている。
県外のソフトボール協会にも周知活動を行っており、関東圏での開催も企画していく予定だ。
今後の展望は小学生へのソフトボール普及に役に立ていきたいと考えており、6人でプレーをする事が出来るので、チーム発足の障壁も9人制よりも低くなるので、小学校のチームが増加することを目指している。小学生のソフトボール人口が増えれば、中学校、高校でもソフトボールを続けて、ソフトボール人口増加のきっかけになればと想いを語ってくれました。
Softball Timesでも今後の取り組みに注目・協力していきたい。
※優勝チーム:VONDS市原
※全体で集合写真
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