同じベースに二人の走者が立ち、どちらも足をつけている。それでも、一人だけアウトになることがあります。確認したいのは、足がベースに触れているかだけでなく、その塁を占有する権利が誰にあるかです。
結論:後ろの走者に押し出されて次の塁へ進む義務がない場面では、先にその塁を正当に占有していた走者に権利があります。もう一人は、塁に触れていてもタッチでアウトになり得ます。
今回の例:1死二・三塁で、二人が三塁に重なった
ファストピッチの試合で、1死、走者は二塁と三塁。一塁は空いています。背番号7番が三塁走者、背番号12番が二塁走者です。ここでの番号は打順ではなく、選手の背番号です。カウントは0ボール1ストライクとしますが、この場面の結論を左右するポイントはカウントではありません。
- 背番号7番は本塁へ向かいかけたものの、三塁へ戻りました。本塁にはまだ触れていません。
- その間に背番号12番も二塁から三塁へ進み、二人が同じ三塁に足をつけました。
- ボールはインプレーのまま。守備者はボールを確実に保持したグラブで、背番号7番、背番号12番の順にタッチしました。
この例では一塁が空いているため、二塁・三塁の走者に、後ろの走者に押し出されて次の塁へ進む義務はありません。また、塁の空過、走者の追い越し、妨害など別の違反はないものとします。

アウトになるのは背番号12番。背番号7番は三塁に残る
この条件では三塁の権利は背番号7番にあり、三塁に触れている背番号7番へのタッチではアウトになりません。一方、背番号12番は三塁を踏んでいても、そのタッチでアウトになります。「二人とも踏んでいるから両方セーフ」ではありません。

「先に戻った人」だけで決めない
見るべきなのは、二人が同じ塁へ駆け込んだ瞬間の到着順ではありません。背番号7番が三塁を正当に占有していたこと、本塁へ到達していないこと、後ろの走者に押し出されて次の塁へ進む義務がないことを、プレーの前から追って確認します。
映像や練習で判断するときは、最初に「背番号7番は三塁、背番号12番は二塁」と整理すると、選手の立ち位置が変わっても混乱しにくくなります。
次の塁へ進まなければならない場合は、答えが変わる
打者が走者になり、後ろの走者に押し出されて次の塁へ進まなければならない場合は、塁の権利の扱いが変わります。たとえば満塁でフェアのゴロを打つと、打者が一塁へ向かうため、一塁・二塁・三塁の走者はそれぞれ次の塁へ進む必要があります。今回の「一塁が空いた二・三塁」とは条件が違います。「後ろの走者が必ずアウト」と丸暗記せず、まず「後ろの走者に押し出されて、次の塁へ進む必要があるか」を確認しましょう。
プレーを整理する三つの確認
- プレー前:どの塁に、誰がいたか。
- プレー中:後ろの走者に押し出されて次の塁へ進む必要があるか。先の塁へ到達したか。
- タッチの瞬間:誰が塁に触れ、誰に適法なタッチがあったか。
チームの練習では、まず今回の二・三塁の配置を再現し、次に一塁にも走者を置いて考えてみると、状況の違いに目を向けやすくなります。タッチを再現するときは、強くぶつけず安全に確認してください。
よくある疑問
同じベースに二人が立った瞬間にアウトですか?
今回扱う規則では、重なっただけで背番号12番のアウトが確定するのではなく、タッチがポイントになります。
どちらもアウトになることはありますか?
今回のように背番号7番が三塁に触れ、権利を保っている条件では、同じ理由で二人ともアウトにはなりません。途中で塁を離れたり別の違反があったりすれば、別の検討が必要です。
まとめ
同じ塁に二人がいる場面は、「元の走者」「次の塁へ進む義務があるかどうか」「タッチ時の状態」の順で整理するのがポイントです。ベースを踏んでいるという見た目だけでは、判定の理由を読み取れません。
参考資料
WBSC Official Rules of Softball 2026–2029(Fast Pitch):5.9 d・f(塁の占有と、同じ塁に二人の走者がいる場合)。
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本文中の人物・プレー画像はAIによる再現イメージです。実際の試合の記録や、判定の証拠を示すものではありません。






