外野へヒットを打って、一塁を回って二塁へ。前の走者が打球を気にして減速し、後ろの走者が追い越してしまった――。野手にタッチされていなくても、アウトになるケースです。
プレー中に、まだアウトになっていない前の走者を追い越すと、原則として後ろから追い越した走者がアウトになります。野手によるタッチは必要ありません。この記事では、ヒットで進塁する二人の走者を例に、誰がアウトになるか、残った走者はどうなるか、例外はあるかを解説します。以下はWBSCの2026〜2029年ファストピッチ規則に基づく説明です。
具体例:一塁走者を打者走者が追い越した
0アウト・一塁。もともと一塁にいた走者を背番号7番、ヒットを打った打者走者を背番号9番とします。数字は打順ではなく背番号です。
- 外野へのフェアヒットで、7番は一塁から二塁へ向かいます。
- 9番も一塁を正しく踏んで、二塁へ向かいます。
- 7番が打球を見て減速したところで、後ろから来た9番が追い越します。
- 9番は7番より先に二塁へ到達します。
ボールはプレーが続いている状態で、7番はまだアウトになっていないものとします。捕球やタッチ、守備・走塁妨害、塁の踏み忘れなど、別の判定が加わる場面は含めません。

アウトになるのは追い越した走者
WBSC規則5.10.3 a) vi)は、プレー中に、まだアウトになっていない前の走者を追い越すケースを定めています。上の例では、後ろから追い越した9番がアウトになります。先に二塁へ着いたからといって、追い越しがなかったことにはなりません。
「足が速い選手が先の塁へ行けばいい」というものではなく、走者には前後の順番があります。前の走者が減速しても、そのまま抜かしてよいわけではありません。
野手にタッチされていなくてもアウト?
このケースは野手によるタッチアウトとは別の理由による判定です。「触られていない」「ベースを踏んだ」だけでは、アウトを免れません。見るべきなのは、誰が前にいて、誰が後ろから追い越したかというプレーの流れです。
背番号7番もアウト?一塁へ戻る?
この追い越しだけを理由に7番までアウトになるわけではありません。例のアウト数は0アウトから1アウトになります。
また、今回のWBSC規定ではボールはライブのままです。追い越しがあったからといって全員が自動的に一塁へ戻る扱いではなく、守備側も走者もプレーが続いていることに注意が必要です。
「追い越したら必ずアウト」とだけ覚えない
同じ規定には、追い越された先行走者が次の塁に先に触れ、各走者が正しい順序で塁を踏むなどの走塁義務を果たした場合の例外があります。そのため、今回の例では9番が7番より先に二塁へ到達したことまで条件に含めています。
また、ボールデッドが宣告された、または宣告されようとしているときの追い越しには別の扱いがあります。プレー中のヒットと、ボールデッドになった場面を一括りにしないことが大切です。
走者同士で確認したいこと
- 後ろの走者は、打球だけでなく前の走者との間隔を見る。
- 前の走者が止まったり減速したりしたときは、そのまま追い越さない。
- コーチャーも前後の走者を見て、早めに声をかける。
- アウトの宣告だけでプレーを止めず、ボールデッドやタイムの宣告にも注意する。
速く走ることと、正しく走ることはセットです。前の走者との間隔を保ち、チーム内でも声をかけ合いましょう。
根拠:WBSC Official Rules of Softball Fast Pitch 2026–2029 5.10.3 a) vi)(印刷ページ77)。本記事は国際規則を根拠としています。当年度JSA規則本文との照合は未完了です。国内大会では採用する規則・大会の特別規定をご確認ください。
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