【選手インタビュー】オーストラリアでプレーする本庄遥さん

英語もわからない、知り合いもいないそんな環境へ1人オーストラリアに乗り込んだピッチャーがいた。
154cmと恵まれた体格とは言えないがコントロールとチェンジアップを武器にどこまで海外の選手に通用するのか、ためしたいと留学を決意した。彼女の名前は本庄遥さん(以下本庄さん)だ。

ソフトボール本庄遥さんご本人

本庄さんは、宝殿中学校で全国ベスト4、名門創志学園高等学校ではインターハイ優勝。立命館大学に進学し、1年生から関西リーグで防御率0.00で最優秀防御率を獲得し、誰もが日本リーグでの活躍を期待していたが、なぜ今彼女がオーストラリアでプレーしているのか、日本を離れているからわかる日本とオーストラリアのソフトボールの考え方やそして今後どのような将来を見据えているのか、【前編】【後編】2本立てでお送りします。

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アメリカチームへスカウトされる夢がきっかけで留学を決意する

Q:誰もが羨むソフトボールの経歴だと思うのですが、なぜ日本リーグを目指さなかったんですか?
A:大学3年生までは、おっしゃる通り日本リーグで活躍する事を目指していました。ただ、大学2年生の秋頃から肩に違和感を感じながらプレーをしていました。プレーをしていくなかで、だんだん日本リーグでプレーしている自分のイメージ出来なくなってきました。もし投げれなくなってしまった時のキャリアを考えた時に、たとえ投げれなくなってもソフトボールに関わっていきたいとう想いが込み上げてきました。

Q:ソフトボールの関わり方っていろいろあると思うのですが、なぜオーストラリアでプレーをしているんですか?
A:信じてもらえないかもしれないですけど、ソフトボールにどのように関わっていけば良いか模索していました、そんな中ある日に見た夢で、アメリカにある女子ソフトボールチームのウェルトンってチームにスカウトされた夢を見たんです。夢からさめた時に「海外で自分より大きい選手達と対戦して、倒したい」と思いました。そこからはすぐに行動に移して、海外でソフトボールをする方法をいろいろ探しました。はじめはアメリカでやる事を考えたんですけど、実力次第で代表選手になるような人と戦える環境があるオーストラリアに行くことにしました。「トビタテ!留学JAPAN」の留学プログラムを利用してオーストラリアでプレーする事ができました。知り合いに留学をする話をしたところ、たまたま、SGホールディングスのカーヤ・パーナビーさんの知り合いがいて、カーヤ・パーナビーさんが所属している「セインツ」というチームに入部する事になりました。

海外でプレーしている日本人選手があまりいないので、海外でプレーをするという選択肢があるという事を未来のソフトボーラーにわかってもらえたらなと思います。

立命館大学時代の本庄遥さん

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ソフトボール文化が違うからわかる日本の良さとは

Q:オーストラリアのソフトボールについて教えてください
A:オーストラリアには、実業団等はありません。基本的に日本だとプロサッカーチームみたいなエスカレーター方式でJrチームからトップリーグまで、ずっと同じチームに所属できます。トップチームはA1とうカテゴリーになるのですが、所属する選手はA1を目指してプレーしていきます。私は現在A2に所属しており、A1を目指しています。JrからA1までエスカレーター式なので、最終的に自分が目指すべきレベルもJrの時から意識することが出来ます。

プレーに対する考え方もかなり違っていて、守備はピッチャーが頑張って、バッターが点をとるので、守備練習はあまりしないで、バッティング練習を多くやっています。なので、守備のレベルは高くないけどエラーしても「バッティングで取り返すから大丈夫」というスタンスです。バッティングは各打者かなりふれているので、投げていて気が抜けないですね。良いピッチャーがいて成り立つ考え方ですがすごく新鮮でした。

Q:海外に出てみてわかった日本の良いところってありますか?
A:まず、道具やグランドを大切にするのは、日本は素晴らしいです。オーストラリアの選手は人によってボールを蹴って集めたり、グランド整備もしないので、理解をするまで時間がかかりました。あとは、先ほど言った事とかぶってしまうのですが、オーストラリアの人は守備練習をあまりしないので、守備力はそれほど高くないのに対して、日本の守備はレベルはかなり高いので、ピッチャーとしてはかなり頼りになりますね。

Q:ソフトボール留学に関わらずに留学を目指している人にメッセージをお願いします。
A:英語が得意じゃないとか、話せないという事を理由に迷っているのであれば、いくべきだと思います。私は、いくまでは英語は全く話せなかったし、留学当初は監督が何を話しているのかわかりませんでした。日数を重ねていけば、会話の流れやニュアンスとかで、理解出来るようになるので、まずは挑戦してみてほしいですね。

オーストラリア選手とコミュニケーションをとる本庄遥さん
※キャッチャーと英語でコミュニケーションをとる本庄さん

【後編】では現在の活動や未来についてお話いただきました。

後編はこちらから

【プロフィール】
本庄 遥(ほんじょう・はるか)
兵庫県出身。宝殿中学校では全国ベスト4。創志学園高等学校に進学し、インターハイ優勝。立命館大学に進学後に、オーストラリアへ留学をし、「セインツ」でプレーをする。

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